飲食店のハイボールが「また来たい」を生む|プロの作り方と炭酸水の選び方
「同じウイスキーを使っているのに、なぜあの店のハイボールは美味しいんだろう?」
飲食店でハイボールを頼んだとき、「ここのは美味しい」と感じる店と、「なんか普通だな」と感じる店がありませんか? その違いを生んでいるのは、ウイスキーの銘柄ではありません。炭酸水の品質と、注ぎ方の技術です。
この記事では、飲食店オーナー・バーテンダー向けに、「また来たい」と思わせるハイボールの作り方と、炭酸水の選び方を解説します。
なぜハイボールの「炭酸」で差がつくのか
ハイボール市場は拡大し続けている
ハイボールは、もはや居酒屋だけのドリンクではありません。レストラン、カフェバー、ホテルのラウンジ、さらにはウェディング会場まで、あらゆる飲食シーンで定番になっています。
「とりあえずビール」の時代から「とりあえずハイボール」の時代へ。特に20〜40代の層ではハイボールの注文率がビールを上回る店も増えています。これはつまり、ハイボールの品質がお店の評価に直結するということです。
お客さんが気にするのは「ウイスキーの銘柄」より「炭酸の強さ」
意外に思うかもしれませんが、お客さんがハイボールに求めているのは高級なウイスキーではありません。アンケートやSNSの口コミを見ると、繰り返し出てくるキーワードは「炭酸が強い」「シュワシュワ」「のど越し」「キレがある」です。
角ハイボールであろうと、ジムビームであろうと、炭酸が強くてキレのある一杯なら「美味しい」と感じる。逆に、プレミアムウイスキーを使っていても炭酸が弱ければ「なんか物足りない」という評価になります。
「ここのハイボール美味しい」と言われる店は、例外なく炭酸にこだわっています。
プロが教える美味しいハイボールの作り方(5ステップ)
飲食店で提供するレベルのハイボールを安定して作るための手順を、ステップごとに解説します。すべての工程に共通するポイントは「炭酸を逃がさない」ことです。
ステップ①:グラスを氷で満たして冷やす
グラスにたっぷりの氷を入れ、バースプーンで数回かき混ぜてグラス自体を冷やします。このとき溶けた水は捨てましょう。
ポイント:氷は大きめのものを使う。コンビニの板氷や製氷機の大粒の氷がベスト。小さい氷はすぐに溶けて水っぽくなり、炭酸も薄まります。
ステップ②:ウイスキーを先に注ぐ(グラスの1/4〜1/3)
氷の入ったグラスに、まずウイスキーを注ぎます。一般的な比率はウイスキー1:炭酸水3〜4。ジョッキなら約45ml(シングル)、ロンググラスなら30mlが目安です。
ウイスキーを入れたら、バースプーンで軽くなじませます。こうすることで、ウイスキーが氷に触れて冷えます。
ステップ③:炭酸水をグラスの縁から静かに注ぐ
ここが最大のポイントです。
炭酸水は「グラスの内側の壁に沿わせるように、静かに注ぐ」のが鉄則。上から勢いよく注ぐと、その衝撃で炭酸が一気に抜けます。
グラスを少しだけ傾けて、縁に沿って注ぐイメージ。ビールをグラスに注ぐときと同じ要領です。
炭酸水の温度も重要。冷えた炭酸水(5℃以下)を使いましょう。常温の炭酸水は注ぐ前からCO2が抜けやすく、グラスに入れた瞬間にさらに炭酸が飛びます。
ステップ④:混ぜるのは「縦に1回」だけ
炭酸水を注いだ後、バースプーンで底から1回だけ、ゆっくり持ち上げるように混ぜます。それだけで十分に混ざります。
グルグルとかき混ぜるのはNG。混ぜるたびに炭酸が抜けていきます。「混ぜないと味がバラバラにならない?」と心配する方もいますが、ウイスキーと炭酸水の比重差で自然に混ざるので、1回のリフトで十分です。
ステップ⑤:提供は作ってすぐ(30秒で炭酸は弱くなる)
ハイボールは作った瞬間が最も炭酸が強く、美味しい状態です。30秒もすれば炭酸は目に見えて弱くなります。
つまり、ハイボールは「作り置き」できません。オーダーが入ってから作り、すぐにお客さんの手元に届ける。この「鮮度」が、美味しいハイボールの最後の条件です。
忙しい時間帯にこれを徹底するには、炭酸水がすぐに使える状態で常に準備されていることが必要です。ペットボトルを開けて注ぐのか、サーバーのボタンを押して注ぐのか――この違いが、ピークタイムのハイボールの品質を左右します。
ペットボトル vs 炭酸水サーバー|飲食店にとってどちらが得か
ハイボールに使う炭酸水の調達方法は、大きく分けて2つです。
ペットボトル(ウィルキンソン等)で仕入れる場合
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 炭酸水コスト(1杯あたり) | 約25〜35円(200ml使用の場合) |
| 月間コスト(1日30杯) | 約22,500〜31,500円 |
| 炭酸の品質 | 開栓直後は強いが、2〜3杯分使う間に弱くなる |
| 運用の手間 | 毎日の仕入れ・冷蔵・ゴミ処理が必要 |
最大の問題は「開栓後の炭酸抜け」です。500mlのペットボトルでハイボール2〜3杯分。1杯目は強炭酸でも、2杯目は明らかに炭酸が弱くなっています。忙しい時間帯に何本も開けっぱなしにしていると、「強炭酸」と呼べるレベルではなくなります。
炭酸水サーバー(ミドボン直結型)を使う場合
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 炭酸水コスト(1杯あたり) | 約2〜4円(200ml使用の場合) |
| 月間コスト(1日30杯) | 約1,800〜3,600円 + サーバーレンタル料 |
| 炭酸の品質 | 毎回作りたて。ボタンを押すたびに同じ強さの炭酸 |
| 運用の手間 | ガスボンベ交換は数ヶ月に1回のみ |
1日30杯ハイボールを出す店の月間コスト比較
| 方式 | 炭酸水代(月) | サーバー費(月) | 合計(月) |
|---|---|---|---|
| ペットボトル仕入れ | 約27,000円 | 0円 | 約27,000円 |
| 炭酸水サーバー | 約2,700円 | 5,500円 | 約8,200円 |
| 差額 | 月約18,800円の削減(年間約22万円) | ||
コストの差は歴然ですが、それ以上に大きいのは「品質の安定」です。ペットボトルは開けた瞬間から炭酸が抜け始めますが、サーバーならボタンを押すたびに常に同じ強さの炭酸水が出てきます。1杯目も30杯目も、同じクオリティのハイボールを提供できるのは、サーバーだけのメリットです。
ドリンク原価をさらに詳しく分析したい方は、飲食店のドリンク原価を半分にする5つの方法の記事も参考にしてください。
炭酸水サーバーを導入した飲食店の変化
実際に業務用炭酸水サーバーを導入した飲食店では、次のような変化が報告されています。
「ハイボールが美味しくなった」とお客さんに言われるようになった
最も多い声がこれです。ウイスキーの銘柄は変えていないのに、炭酸水をサーバーに切り替えただけで「ここのハイボール美味しくなったね」と常連さんに言われるようになったという店が多数あります。
理由はシンプル。毎回作りたての5.5GV以上の強炭酸で提供できるようになったからです。お客さんは「何が変わったか」は分からなくても、「前より美味しい」は分かる。
ペットボトルの在庫管理・ゴミ処理から解放された
1日30杯のハイボールに必要な炭酸水は約6L。500mlペットボトルなら12本。月間で約360本。この発注、検品、冷蔵庫への補充、空きボトルの処理にかかっていた時間と手間がゼロになります。
冷蔵庫のスペースも空きます。その分、食材やビールを余計に冷やしておけるので、オペレーション全体が楽になります。
ドリンク原価が下がって利益率が上がった
ハイボール1杯の原価を見てみましょう。
| 原価項目 | ペットボトル時 | サーバー導入後 |
|---|---|---|
| ウイスキー(45ml) | 約60円 | 約60円 |
| 炭酸水(200ml) | 約30円 | 約3円 |
| 氷 | 約5円 | 約5円 |
| 1杯あたり原価 | 約95円 | 約68円 |
| 販売価格(税抜500円の場合)の原価率 | 19.0% | 13.6% |
1杯あたり約27円の差。1日30杯で810円、月間で約24,000円の利益改善。年間にすれば約29万円です。サーバーのレンタル料(年間66,000円)を差し引いても、年間22万円以上の利益増加になります。
まとめ:ハイボールの質は「炭酸水」で決まる
この記事のポイントをまとめます。
美味しいハイボールの条件は3つ。
①冷えたグラスと大きめの氷、②グラスの縁から静かに注ぐ炭酸水、③作ってすぐの提供。すべての工程で「炭酸を逃がさない」ことが最優先です。
炭酸水の品質が、ハイボールの味を決める。
同じウイスキーでも、炭酸水の強さとのど越しで味の印象はまったく変わります。お客さんが「ここのハイボールは美味しい」と感じるかどうかは、炭酸水次第です。
サーバーなら、コストを下げながら品質が上がる。
ペットボトルからサーバーに切り替えれば、毎月のコストは約2万円下がり、炭酸の品質は上がる。飲食店にとって、数少ない「コスト削減」と「品質向上」が同時に実現する選択肢です。
業務用炭酸水サーバーの比較は業務用炭酸水サーバー徹底比較の記事で詳しく解説しています。
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この記事は、ハイボールの品質にこだわる飲食店オーナー様向けに、SODA FACTORY JAPANが作成しました。記載内容は2026年2月時点の情報です。